2006年06月10日(土) 13時01分
シンドラー社エレベーター:掛川でも「閉じ込め」−−市立の養護老人ホーム /静岡(毎日新聞)
◇市立の養護老人ホーム、シンドラーに管理委託−−静岡でも6基で異常
掛川市立養護老人ホーム「ききょう荘」(竹下文博施設長、入所者46人)でエレベーター内にお年寄りらが閉じ込められる事故が3件発生していたことが9日までに分かった。同ホームのエレベーターは、シンドラーエレベータ浜松支社に管理を委託している。【舟津進、賀川智子】
同市の調べによると、事故は昨年4月29日午後1時55分ごろ、鉄骨3階建て本館の油圧式エレベーターが1〜2階間で突然停止。乗っていた出入り業者1人が約35分間閉じ込められた。このほか昨年1月、2〜3階間で入所女性(当時77歳)が約55分間、また00年6月に入所男性(同84歳)が約1時間35分閉じ込められた。いずれも同支社が修理し救出したが気分が悪くなったお年寄りもいたという。また各階床面と5〜20センチずれて止まるトラブルが3件あった。
同機は日本エレベーター工業社製(91年社名をシンドラーエレベータに変更)で80年に設置。管理する同支社は「古い部品の磨耗などが原因」と説明したという。同ホームは、異常停止時に階数指示ボタンを20秒間押し続けると最寄り階に止まる安全装置を取り付けた。また東京都の高校生死亡事故後、注意を喚起する紙を張った。
掛川市は9日、シンドラー社製16基が市管理施設で使われ11件のトラブルがあったと発表した。市立養護老人ホーム以外に市立総合病院で異常停止2件、扉の開閉不良3件が報告された。
一方、静岡市も同日、市内の公共建築物で使用される同社製エレベーター20基中6基で扉の開閉スイッチが作動しないなどのトラブルがあったと発表した。いずれも人的被害はなく、市職員が安全確認をしたところ異常もないため、今後も継続使用する。市建築総務課によると、市内の公共建築物内のエレベーター189基中、同社製は20基。03〜06年間に発生したトラブルを調査した結果、市営安部口団地33号棟で、「扉の開閉スイッチが接触不良を起こし50センチの段差を生じて停止」(05年1月)など6件のトラブルが確認された。
今月7日に市職員らが実際に使用するなどして安全を確認。今後は継続使用しながら同社社員に専門的な調査を依頼するという。一方、市内の民間所有の同社製エレベーター34基にはトラブルの報告はないという。
6月10日朝刊
(毎日新聞) - 6月10日13時1分更新
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