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2006年06月10日(土) 15時54分

NHK 民放から受信料未徴収 50年以上も「例外」扱い産経新聞

 NHKが50年以上にわたり、民放各局から受信料を徴収していなかったことが10日、分かった。局内にあるテレビ受像機は放送の監視を目的としているとして、受信契約の対象外としてきたため。
 しかし、一昨年来の減収対策として、一部は契約対象とするよう方針を転換。在京5キー局は4月から支払いを始めた。NHKは今後、全国の地方局にも受信料を請求する方針。
 放送法は、テレビの設置者にNHKとの受信契約を義務付けながら、「放送の受信を目的としない」場合は対象外と定めている。NHKによると、自ら行う放送の監視が不可欠な民放は昭和26年の開局以来、この例外規定に該当するものとして取り扱ってきた。
 だが実際には、民放は、放送の監視と関係ない事務系の部署、ロビー、食堂までテレビを置いており、キー局での設置は計数百台に上る。
 一連の不祥事で受信料の不払いが増え、財政が窮迫したことなどから、NHKは昨年、制作など現業部門を除く職場のテレビについて受信料を請求することを決定。ある局の支払い額は年50万円程度という。
     ◇
≪キー局請求受諾 「二元体制」へ思惑≫
 NHKの受信料支払い請求に民放キー局が応じた背景には、不祥事をきっかけに公共放送制度の改革が論じられる中、ライバルでありながら持ちつ持たれつというNHKとの微妙な関係を維持したいとの思惑がある。
 NHKがキー局に受信料を請求し始めた昨年、政府や自民党の一部でNHK民営化論が高まった。NHKが広告市場に参入すれば、民放は大打撃を受ける。日本民間放送連盟は、NHKと民放の「二元体制」の維持を強調するようになった。
 あるキー局の幹部は「受信料を支払うのは、その姿勢を示す政治的判断でもある」と解説する。
 一方、民放はニュースで、NHKの不祥事などを報道している。別のキー局幹部は「批判する立場としても、やはり支払うべきだという結論に落ち着いた」と話す。
 「うちが支払っていないなんて知らなかった。今まで請求もなかったから。話を聞いて、受信料が社会問題になっているときに、このままではまずいということになった」。あるキー局首脳は、世論に配慮したことを打ち明けた。
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【用語解説】事業所の受信料
 放送法に基づくNHK受信規約によると、受信契約は住宅が世帯ごとなのに対し、企業や官庁ではテレビの「設置場所」ごとに義務付けられている。一般には部屋、大空間オフィスの場合は部や課が単位になる。受信料の金額は住宅と同一だが、1事業所で10件以上の契約があるときは、衛星カラー契約(口座振り替え1年前払いで25520円)が1件当たり最大3600円割引になる。
(産経新聞) - 6月10日15時54分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060610-00000011-san-soci