2006年06月09日(金) 10時08分
シンドラー社エレベーター 県内で74基使用 過去15件のトラブル(西日本新聞)
都内の男子高校生がエレベーターに挟まれて死亡した事故を受け、県内各自治体は、事故を起こしたシンドラーエレベータ社製のエレベーターを使用している施設などの調査を始めた。シ社製エレベーターのトラブルも各地で相次ぎ確認されており、波紋が広がっている。
県や県教委などによると、県内で使用が確認されたシ社製エレベーターは74基。このうち公共施設は県営住宅33基など41基で、民間施設は33基(長崎市内22基、佐世保市内5基など)。「閉じ込められた」などのトラブルも確認されただけで8日時点で15件を数えている。
佐世保市の県営黒髪団地と県営天神団地のシ社製エレベーターでは昨年3月から今年4月までに、女性が約1時間閉じ込められるなどのトラブルが計5件発生。県立島原養護学校(島原市)のエレベーターは今年4月、定位置より約5センチ下でストップしたことがあった。県立佐世保中央高校(佐世保市)では昨年5月、女性事務員がエレベーターに閉じ込められて約30分後に救助されたという。
県すこやか長寿会館(長崎市)のエレベーターも、停止位置が床とずれたり煙感知器が誤作動したりするなどのトラブルが昨年から4件発生。壱岐市郷ノ浦町の公共施設「郷ノ浦港ターミナルビル」では、指定階で止まらないトラブルが過去に3回あったという。
警察施設でシ社製エレベーターが使われているのは大村署と長崎署矢上交番。このうち大村署でも今年5月、エレベーターのドアが閉まらなくなったことがあった。
国土交通省の通知を受け、長崎市は8日、市営住宅などすべての市有施設のエレベーター150基の緊急点検を9日から15日にかけて実施すると発表。県も県住宅供給公社に対し、シ社と合同で県営住宅の緊急点検を実施するよう指示している。
=2006/06/09付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 6月9日10時8分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060609-00000140-nnp-l42