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2006年06月08日(木) 00時00分

部品取り寄せ再現実験 エレベーター事故検証 東京新聞

 東京都港区住宅公社の二十三階建てマンションで、都立高校二年市川大輔(ひろすけ)さん(16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査一課と三田署は、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)のスイス本部から、同型のブレーキ部品を取り寄せて事故機のものと交換、実際に作動させる再現実験を行う方針を決めた。

 同課などは、シ社や同公社など関係先六カ所で七日行った家宅捜索で、作業マニュアルや故障記録、不具合報告書など約百五十点を押収。これらの資料を分析して安全管理の実態を調べるとともに、再現実験や事故機の分解などを進めて原因を究明する。

 これまでの現場検証は、事故機の昇降路最上部にある機械室を中心に行われた。

 モーターやブレーキに外形上の損傷は認められず、主電源を入れて通電状況を調べたが、電気系統にも異常はなかったという。

 調べでは、事故機はマンション十二階にいったん停止後、ドアが全開状態のまま突然上昇。同階で降りようとした市川さんは、エレベーターの床と乗り場外枠の天井に挟まれ死亡した。

 現場に駆けつけた保守管理業者が事故機の電源を切り、東京消防庁の救助隊が市川さんと同乗の女性(57)を救助したが、その場で停止するはずのエレベーターが昇降路の限界点(ファイナルリミット)まで上昇した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060608/eve_____sya_____000.shtml