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グレーのタイルに囲まれた八階建てマンションは、民家や商業ビル、工場などが混在する運河に近い地域にある。建物は一九九七年五月に同区が建築確認し、翌九八年五月に完成した。
ベビーカーを押しながらマンション入り口から出てきた住民女性は、「三カ月ほど前に姉歯被告が構造計算を担当したと知った。ただ、マンションの耐震性に問題がないと聞いているのですが…」と戸惑った。
昨年十二月、耐震偽装問題発覚で中央区は、このマンションの構造計算書を調査したが、結果は「偽造なし」。だが、姉歯被告は、これまでの調べに「地震が発生した際の柱や梁(はり)の強度を弱めて計算した」などと供述しているという。
このマンションについて国土交通省は、「震度5強以上の地震で倒壊のおそれがあるとされる基準の50%を下回るほど、強度は悪くはないのではないか」とみている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060608/lcl_____tko_____002.shtml