2006年06月07日(水) 07時03分
圧死事故エレベーター同メーカー機 仙台で部品破損2件(河北新報)
東京都港区の港区住宅公社マンションで男子高校生がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、同じ製造元の「シンドラーエレベータ」(東京)社製で仙台市内に設置されているエレベーターが、5年間に2度の部品破損を起こしていたことが6日分かった。東北の自治体では、シ社製を中心に緊急点検などの動きが広がっている。
宮城県建築住宅センターによると、1991年に完成した仙台市泉区の県営住宅(14階)のエレベーターが、97年2月と2001年12月の2回、異音がしたり、動かなくなったりした。
シ社の調べで、原因は2度とも、巻き上げ装置の回転軸を支えるベアリングの破損と判明。最初の故障で部品を交換しながら、4年10カ月後に同じ故障が再発した。
直ちに危険な状態ではなく、けが人もなかったが、修理のため1基しかないエレベーターが2—5日間使えなくなり、住民生活に影響した。
泉区の宮城県図書館では05年、5基あるシ社製のエレベーターのうち1基で、床面と10センチずれて停止するトラブルが発生。段差を調整する機器の不具合とみて、5基すべてで交換した。
東北各県と仙台市などによると、東北にシ社製エレベーターは少なくとも60基以上あるとみられる。他社製を含むエレベーターの緊急点検を始めた県もある。シ社本社は「捜査を妨げないよう、すべてのコメントは控えている」と話している。
◎電源切断後に異常な急上昇 東京の事故機
東京都港区のマンションで男子高校生がシンドラー社製エレベーターに挟まれて死亡した事故で、事故後に電源を切った際に、停止していた場所で止まるはずのエレベーターが最上階まで急上昇していたことが6日、分かった。
警視庁捜査一課と三田署は、エレベーターをコントロールするコンピューターがある制御盤を中心に、専門家が立ち会って同日も現場検証を続行。関係者から事情聴取し資料の任意提出を求めて捜査を進めている。
調べや関係者によると、事故が発生し東京消防庁が高校生を救助した後、管理会社が電源を切断するとエレベーターが「ファイナルリミット」と呼ばれる限界点まで急上昇して止まった。通常は電源供給が止まると動かないはずで、異常動作だったという。
(河北新報) - 6月7日7時3分更新
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