2006年06月07日(水) 03時00分
エレベーター圧死 メーカー強制捜査へ 制御ソフトに異常か(産経新聞)
東京都港区の港区住宅公社が管理するマンションのエレベーターで都立高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(16)が死亡した事故で、警視庁捜査1課は6日、業務上過失致死容疑で、エレベーターを製造した「シンドラーエレベータ」(本部・スイス、日本法人・江東区)などを強制捜査する方針を固めた。警視庁はエレベーターの「ソフト」に問題があったとの疑いを強めており、製造元などへの家宅捜索は不可欠と判断した。
同社製のエレベーターでは、東京工業大学のすずかけ台キャンパス(横浜市緑区)の総合研究棟J2(20階建て)のエレベーター3基でも不具合が新たに判明。昨年8月からエレベーターの使用が始まったが、直後からドアが閉まらないなど14件のトラブルが起きた。けが人は出ていない。
学生の話から、大学のエレベーターでは施設にはない「23階」を表示するという「駆動系」以外のトラブルがあったほか、死亡事故があったエレベーターを今年3月まで管理していた管理会社が「ハード面の点検では不具合の原因が分からなかったので、メーカーにコンピューター制御盤のソフトなどの総点検を依頼した」と説明した。
さらに捜査1課が6日、技術系の専門家の立ち会いのもと、死亡事故のあった港区の現場を検証したが、モーターやブレーキなどエレベーターに外見的な異常はみつからなかった。コンピューターの入る制御盤についても検証した結果、ショートした形跡などの外形上の故障もなかった。
このため捜査1課は、制御盤内のコンピューターのソフトに問題があった疑いが強いとみて、早ければ週内にも、同社などへの強制捜査に乗り出す方針を固めた。
シンドラー社は110カ国に販売網を持ち、エレベーター業界では世界第2位。同社は「捜査中のためコメントは差し控えたい」としている。
(産経新聞) - 6月7日3時0分更新
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