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ブロードバンドの普及を支えているのがインターネット接続業者だ。その草分けであるインターネットイニシアティブ(IIJ)の鈴木幸一社長に、現状と課題を聞いた。
鈴木 日本で初めてインターネット接続事業を始めたのは私たちで、1993年のことでした。翌年に開始した個人向けサービスは電話回線だったので、今とは比べものにならないくらい遅かったものです。
今や回線に光ファイバーも使われ、速度は当時の1000倍ほどになり、「ブロードバンド」と持てはやされています。通信の単価もどんどん下がり、CD−ROM1枚分のデータを送る値段は、90年代初めごろの150分の1ほどになりました。
「世界最安」の裏側には不安も鈴木 ここまでとは思いませんでした。主な先進国と比べても20分の1から30分の1。日本はインターネット接続の実験場だと外国から見られているほどです。
ネットは、電気や水道と同じような社会基盤の一部という位置づけになってきましたが、安さの裏側で合理性を欠いた部分もあります。
鈴木 例えばブロードバンド接続はメールのやり取りには十分過ぎるほど速度があります。しかしユーザーが一斉に高画質な動画を見たら、とたんにデータの渋滞が起き、映像が途切れ途切れになるでしょう。
放送と通信の融合が期待をもって語られていますが、テレビ映像をインターネットで流すには性能が不十分なのです。現時点では、個人ユーザーのうち大量にデータを送受信するお客さんは5%くらいですが、みながそのように使い始めたら回線はパンクします。
一方で、ブロードバンドを利用する個人向けの料金は、ヘビーユーザーでもそうでなくても3000円前後の固定料金が主流です。ゆくゆくは電気やガスのように、使用料に応じて料金をいただく体系も必要なのではないでしょうか。本音を言えば明日からでもそうしたいほどです。