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2006年06月04日(日) 00時00分

自治体の不審者メール配信 多摩地域朝日新聞

 通学途中の子どもの安全を守ろうと、不審者に関する情報を電子メールで配信する自治体が多摩地域でも増えてきた。児童生徒や保護者の関心が高まり、多くの情報が寄せられるようになった一方で、正確な情報をどう把握するかが新たな課題になっている。自治体も住民の情報を積極的に活用したり、逆に警察からの情報のみを流したりと対応はさまざまだ。

 日野市は児童生徒や保護者から寄せられた情報を積極的に流す方針で、今年4月から取り組んでいる。「仮に間違いであっても、情報を流さずに被害が起きるよりはいい」と、市教育委員会の青木奈保子庶務係長は話す。2カ月間で児童への声かけ事案など4件を配信した。

 日野市では、過去に勘違い通報があった。昨年4月下旬、下校途中の小学生から「通りがかりの女の人が刃物を向けてきた」という連絡があった。市内26小中学校に不審者情報としてファクスで通報されたが、実際は菜っ葉を採りに行こうと河川敷を歩いていただけだったという。青木係長は「配信のたびに誤報が起きないか一番心配している。情報確認のルールなど模索している段階だ」という。不審者情報は即日メール配信するのを目標にしており、素早い対応には地域からの情報提供が欠かせないという。

 1日から配信を始めた昭島市も、学校からの情報を流す仕組みだ。市教委の沢田昌好学務課長は「子どもをみんなで守ろうというのが狙い。地域の関心を高める意味合いもある」と話す。

 一方、警察情報に絞って昨年12月下旬から配信を始めたのが府中市だ。広く情報を募る想定だったが「市職員では確証が取れない」(市地域安全対策課)と断念した。

 昨秋、小学校脇の道路で「泣き叫ぶ子どもが車で連れ去られた」との情報が寄せられたことがあった。実際は、子どもを歯医者に連れて行くため、母親が車に乗せようとして泣かれてしまったことが、警察の調べで分かったという。

 市教委の志村文穂指導室長は「子どもの安全のためなら、誤情報でも配信したいとの思いもある。だが地域への影響を考えると慎重にならざるを得ない」と話す。

 このほか今年4月から始めた八王子市も、原則警察で確認の取れた情報を配信しているという。

 立川市は、警視庁が提供する不審者情報の利用を呼びかけている。

 4月にはメール配信サービス実施を求める約3700人分の署名が青木久市長に提出された。川島幸夫市民生活部長は「警察で確認した情報を行政が配信するより、警察の情報を市民が直接利用した方が早い」との認識だ。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000606050002