2006年06月04日(日) 03時09分
高2、エレベーターで圧死 降りる途中、突然上昇(産経新聞)
3日午後7時20分ごろ、東京都港区芝の区住宅公社「シティハイツ竹芝」(23階建て)の12階で、エレベーターが急に上昇し、降りようとした12階に住む都立高2年、市川大輔(ひろすけ)さん(16)が上半身をエレベーターの床と天井部分に挟まれた。市川さんは救出されたが、頭などを圧迫され、約2時間後に死亡。警視庁捜査1課と三田署は業務上過失致死容疑で捜査、エレベーター管理会社から事情を聴いている。
調べでは、市川さんは胸から上をエレベーターの内側に、下半身をエレベーターの外側に出した状態で自転車とともに挟まれていた。頭蓋(ずがい)骨が骨折していた。消防が駆けつけた際、扉は開いた状態で上半身をエレベーターの床と、エレベーター入り口の天井に挟まれていた。
市川さんは1階から自転車を運びながら自宅がある12階まで行き、後ろ向きに降りようとしていた。一緒に乗っていた女性は「(市川さんが)降りようとすると勝手にエレベーターが上昇して挟まれた」と話しており、捜査1課では扉が開いたまま急に動き出したとみている。
事故のあったマンションは築約8年。エレベーターの定員は28人で幅2メートル、高さ2・4メートル。住民によると、ドアが開かなかったり、階の途中で止まったりするなどのトラブルが相次ぎ、今年1月に建物を管理する港区住宅公社に住民説明会で報告、区も不具合を把握していた。
エレベーターは通常、扉が完全に閉まらなければ上下しない。捜査1課は不具合が放置されていた疑いや安全装置に問題があったとみて、管理会社「エス・イーシーエレベーター」(台東区)やメーカー「シンドラーエレベータ」(江東区)から事情を聴いている。管理会社は「4月から整備を担当し、月2回点検しているが、正常に運行していた」と話している。
現場はJR山手線浜松町駅から南に約500メートルの高層ビル群の一角。
(産経新聞) - 6月4日3時9分更新
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