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料金値上げに合わせ、組合加盟の銭湯が始めた全面禁煙は、銭湯が「健康施設」であることをアピールするのが狙いだ。ある銭湯経営者は「喫煙者が一時的に来なくなるかもしれないが、将来的には客の増加につながる」と期待する。
減り続ける東京都内の銭湯。高度経済成長期、仕事を終えた人たちが集まる銭湯は街の社交場だった。自家風呂が増えて客離れが進み、燃料の重油高騰が経営悪化に拍車をかける。
同組合によると、文献上は一五九一年に現在の江戸橋(中央区)付近に建てられた銭湯が東京で最も古い。最盛期の一九三七年には二千九百軒を数えたが、四五年の東京大空襲で燃えて四百軒に激減。戦後復興で盛り返し、一九六八年には戦後最多の二千六百八十七軒にまで増えた。
その後、自宅で風呂に入るように生活習慣が変わった。レジャー型のスーパー銭湯に人気が集まり、日常的に銭湯に入る人は減る一方だ。
燃料の値上げも経営を圧迫する。都福祉保健局によると、A重油は二〇〇四年四月に一キロリットル当たり約三万七千円だったが、今年三月には約六万六千円。毎月の負担が十数万円増えた銭湯もあるという。
文京区は〇五年度に年間十八万円を上限に銭湯に補助する条例を制定。一年間の予定だったが本年度も継続を検討中だ。同組合の戸波恵之助・文京支部長は「客は年々減っている」と厳しい経営状況を話す。一日の入浴料値上げには「景気は回復しても貧富の差は拡大している。庶民は値上げで来なくなる」と心配する声もあるが「疲れた体のリフレッシュを」と呼びかける経営者も。
墨田区の銭湯経営、星野剛さん(71)は「自家風呂の代わりは七〇年代で終わった。今は街のゆとり。銭湯には、湯のぜいたくを楽しみに来てほしい」と話している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060601/eve_____sya_____001.shtml