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奈良産業大(三郷町)の学生たちが6月1日、キャンパス内に自分たちで経営する喫茶店を開く。店舗経営を通じてビジネスを学ぶ実践授業で、店は来春開かれる同大ビジネス学部の「教室」にもなる。他大学との差別化を図りたい同大の少子化対策の一環で、学生の提案を実現させた。同じような「学生店舗授業」に取り組む大学は各地にあるが、近畿地方ではまだ珍しいという。
(西堀岳路)
★実践授業を取り入れ 私大競争生き残りへ★
店は「Cafe Blossom」で、食器をほぼそろえ終わり、看板やメニュー表づくりなどの作業に追われている。
学生食堂が入る「大学会館」3階の約100平方メートルの部屋を自分たちで改装。大阪や奈良の家具店などを回って新古品のテーブル六つにいす30脚、冷蔵庫、調理器具などをそろえた。開店費用の約120万円は大学が出した。
スタッフは、店長に就いた4年生の久家清孝さん(21)ら、経営学部の三つのゼミの29人。起業家志望や、家業を継ぐ前に店舗経営の勉強をしたいという学生が多い。今年1月から県内の喫茶店などを回り、経営者から仕入れのコツや帳簿のつけ方、接客マナーなどを学んだ。
開店準備のすべてがゼミと並行した実践授業。まず「企業風土の構築」の課題に取り組み、議論の末、「地元にとけ込むため、地元産の食材を使う」などと決めた。簿記や会計を専攻する学生が、原価計算や事業計画を立案した。
メニューはキャンパス内で「市場調査」して選び、ブレンドコーヒー220円、トーストやゆで卵のついたモーニングセット300円など28種類。さらに「商品の均質性」をテーマに、どの学生が調理を担当しても同じ味が出せるようマニュアルも作った。
「自分の店をつくる」と熱意に燃える学生、「あくまで授業」と淡々とこなす学生と姿勢は様々という。久家さんは「共通の目的を設定すれば店員全体の士気が上がるはずなのに、人間はなかなか理論通りにいかない」と苦笑する。
少子化の影響で、奈良産大の昨年の新入生は5年前と比べ半数に減っているという。私立大競争に生き残るため、来年度から経営、法学など四つあった学部を情報とビジネスの2学部に統合。在校生から要望のあった、学生店舗による実践授業も取り入れることにした。
担当の西村剛助教授は「各地の学生店舗を参考にしたが、近畿ではまだ珍しいのでは」と話す。
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000605310001