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麻原被告の控訴は今年3月末、同高裁十部(須田賢裁判長)が「2005年8月末までの延長期限までに、弁護団が正当な理由なく控訴趣意書を提出しなかった」として棄却した。異議申し立てについては高裁十一部で審理した。
決定理由で白木裁判長は「弁護団が公判停止の主張が認められないとみるや、控訴趣意書の不提出という実力行使に出ることは訴訟の進行の妨害で正当化できない」と批判。「提出の遅れはやむを得ない事情に基づくとは認められない」と結論づけた。
弁護団が控訴棄却前の今年3月、控訴趣意書を提出すると高裁に通知したことについても、白木裁判長は「裁判所からの提出勧告に従わなかった弁護団が、控訴棄却の可能性が出てきたため、趣意書を提出すると通知したからといって、裁判所が待たなければならない理由はない」と退けた。
その上で麻原被告の訴訟能力について「麻原被告の公判や拘置所での言動、弁護人や医師との面接状況を詳細に検討し、精神鑑定結果を参考にした上での判断は正当」と述べ、控訴棄却の決定を支持。弁護団が選任した6人の医師の意見書が訴訟能力を否定していることについても「意見書の内容は一致しておらず、訴訟能力はないという結論だけで決定が誤りとは言えない」と弁護団の主張を退けた。
麻原被告は04年2月に東京地裁で死刑判決を受け控訴。高裁は麻原被告の精神鑑定を行い今年2月、訴訟能力を認める結果が出た。弁護団は同3月28日に控訴趣意書の提出を予定したが、高裁は直前の27日に控訴を棄却した。
■最高裁で判断仰ぐ<麻原彰晃被告の弁護人を務める松井武弁護士の話>
決定書を読んでいないので何とも言えないが結論が異議を認めていないのであれば、最高裁で最終的な判断を仰ぐことは当たり前のことだ。
■反省深め新しい道<アーレフ・上祐史浩代表派の話>
これを機会に旧教団の事件への反省を深め、新しい道を切り開いていきたい。
☆異議審と特別抗告 刑事訴訟法は高裁の控訴棄却決定に不服がある場合の手続きとして、異議申し立てを規定。決定をした同じ高裁で、別の裁判官3人が審理する。特別抗告は異議が退けられ、さらに不服がある場合の手続きで、最高裁が審理する。ただ特別抗告理由は憲法違反や法令解釈の誤り、最高裁の判例違反などに限定されている。
☆訴訟能力 刑事裁判で被告の立場や重要な利害を理解し、相応な防御ができる能力。刑事訴訟法314条には、被告が心神喪失状態のときは、検察官と弁護人の意見を聴き、決定によって、その状態が続く間、公判手続きを停止しなければならないと規定されている。事件当時、善悪の判断や行動制御ができる「刑事責任能力」とは別。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060531/mng_____sya_____000.shtml