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刺激的なタイトルで話題の新潮新書「人は見た目が9割」の著者、竹内一郎さん(50)=川崎市=は久留米市出身で九州大谷短大(筑後市)の元助教授。久留米市の石橋文化会館で26日、「久留米の人だけに話す『人は見た目が9割』誕生の秘話」の題で講演した。同書で論じる「非言語コミュニケーション」が、若き日の体験などをきっかけに生涯のテーマとなったいきさつを、講演と合わせて取材した。
久留米市で生まれ育った竹内さんは、親の転勤で高校は神奈川県の私立に通い、横浜国立大で心理学を専攻した。97〜01年には、九州大谷短大で講師、助教授として戯曲論や非言語コミュニケーション論を教えた。現在は著述業。戯曲や「さいふうめい」のペンネームによる漫画の原作など作品は多岐にわたる。
「人は見た目が9割」は05年10月に出版。発行部数は75万部に上る。
話す言葉の内容による伝達より、話すときの表情や声の質、アイコンタクトなど言葉以外のほうが伝える力が大きいということを漫画や演劇などを例に取って解説。非言語コミュニケーションの入門書になっている。
劇の演出も手がける。非言語コミュニケーションは劇とのかかわりの中でも考察を迫られる課題だが、青年時代の体験から、これが「生涯のテーマ」になったという。
高校に通うまでは引っ込み思案でおとなしい少年だった。「周りから求められる九州男児のイメージにこたえようと、言動から考え方まで男らしい振る舞いを心掛けていました」と振り返る。
ただ、本来は、力強い言葉や声高な主張は不得手だし、そうした伝え方をされると気持ちが引いてしまう方だ。
言語コミュニケーションの「弱者」が、思いや考えを他人にうまく伝えるにはどうすればいいのか。その結果、到達したのが非言語コミュニケーションでの伝達だったという。「もちろん言葉は重要。でも、言葉だけでなく、総合的に伝達するほうが伝わりやすいということ」と補足する。
朝日新聞のキャンペーン広告「ジャーナリスト宣言。」についても一言。「私たちは信じている、言葉のチカラを」というコピーの結び。「『力』と漢字にすればいいところをわざわざカタカナで表記している。言葉の力だけでなく、視覚的効果を援用している。総合的な伝達の一例ですね」
ソフトな語り口。1時間を超える講演の後、サイン会では「沈黙の雄弁術」という逆説的な文句を1人ずつ書きつづっていた。
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000605300006