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「(不適切な処理について)楽をしようとした事務局、事務所が増えたことはショックだ」
とどまることを知らない同庁による年金保険料の不正処理問題で、村瀬長官は29日夜の記者会見で、肩を落としながらこう述べた。
年金垂れ流しでつくった年金福祉施設、年金情報ののぞき見…。社保庁職員による年金制度への不信感を増幅させる問題が相次ぎ、小泉首相は平成16年7月、損保ジャパン副社長だった村瀬氏を大抜擢(ばってき)した。
営業畑を歩み、「無名の存在」だったが、同社の平野浩志社長(当時)の推薦が、民間人起用好きの首相のお目にかなったのだ。
就任早々、村瀬氏は社保庁改革を打ち出した。その中には、来年度の保険料収納率80%のノルマもあった。社会保険事務局、社会保険事務所ごとに目標を設定させ、達成率上位の事務所などを表彰しており、こうした手法が今回の不正処理問題を生んだとの指摘も出ている。
村瀬氏は今回の問題について「本庁ぐるみは明確にありえない。事務所ぐるみ、事務局ぐるみ」と断言し、本庁が関与していないことを強調。だが、「それはそうかもしれないが、かえって村瀬氏のトップとしての限界を露呈した」(永田町筋)と、必ずしも同情論は出ていない。
小泉首相への攻撃材料にうってつけとして、民主党も早速、村瀬氏を辞任に追い込もうと躍起になっている。同党の長妻昭衆院議員は26日の衆院厚生労働委員会で、「長官、辞任しなさい!」と辞任を要求。だが、村瀬氏は「私のやることは、まず正すことだろうと思っておりますので、それをまず優先してやります」と淡々と答え、打たれ強い一面を見せた。
一方、“庇護者”となるべき小泉首相。29日の自民党役員会では「社保庁改革というのは、役所仕事のデタラメぶりを改めなければならないということで、長官も民間人から起用した。官をかばってはダメだ」と、村瀬氏をかばった。
ZAKZAK 2006/05/30