2006年05月30日(火) 11時44分
第十一回 「SNS のビジネス活用シーン その1」(japan.internet.com)
実際のビジネス活用シーンでは、SNS はどのような役割を果たしているのだろうか。筆者は5つの役割のパターンがあると考えている。
これらはすべて SNS の特性を有効に生かしたものであり、従来型の匿名掲示版オンライン・コミュニティでは困難であったものと言える。
1.CGM(Comsumer Generated Media)としての SNS
ここ2年ほどのブログや SNS の世界的な普及は、ブームを超えてメディアとしての影響力を持つようになっている。
2006年3月来日時の Yahoo! 創業者ジェリーヤン氏のコメントでは、旧来の「マスメディア」に変わり、ブログをベースとした「パーソナルメディア」、さらには個人の意見から集合知が形成される「ソーシャルメディア」に進化するだろうとしている。
また米国発の世界最大 SNS、
MySpace の参加者は8,000万人と言われ、日本においても SNS 登録者数は累計1,000万人に近づいている。
そのユーザーたちは単なる視聴者ではなく、各々がコンテンツの発信者なのだ。この最大の特徴は、従来のマスメディアに対して、「CGM(Consumer Generated Media:コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)」と呼ばれ始めている。またポータル系のネットメディアと比較するとユーザーの滞在時間やリピート率が長く、そのスティッキネスの高さが注目されている。これらはポータルと類似したビジネスモデルを取ることが多く、広告収入がメインとなる。
2.ビジネス・マッチング・ツールとしての SNS
ビジネス活用で最も先行しているのがビジネス・マッチング・ツールとしての SNS 活用法だ。
米国 LinkedIn、英国 Ecademyなどのマッチング系 SNS では、すでにツールとしての有効性が実証され収益基盤を確立しているサイトも多い。
これらのサイトの特長は、ビジネスに特化した社交の「場」を提供し、交流を活性化させ、リアルな世界をはるかに上回る出会い(ビジネス・マッチング)の機会を創出している点だ。ビジネス・マッチングにおいては「信頼」の担保が重要なファクターとなる。例えば最大手の LinkedIn では、ターゲット人材にコンタクトするために以下2点の現実の紹介システムをネット上で実現している。
(1) 4次の隔たりの距離内にいること
(2) ターゲット人材との間にいる知り合いを一人ずつ説得すること
また、この説得のプロセスで、ターゲット人材の評判が浮き彫りになる仕組みになっていることも特長だ。
このタイプの場合、他の人材紹介システム等と比較した場合の経済合理性が重要であり、成功報酬型課金が利にかなっている。
業種としては人材紹介サービスを行っている企業やビジネス交流会の主催団体に最も適しているが、スクール同窓会や企業 OB 会での活用も有意義であろう。
→「SNS ビジネス活用シーン その2」に続く
【当コラム執筆は、代表である斉藤が担当しています】
記事提供:
株式会社LooopsCommunications(ループス・コミュニケーションズ)
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(japan.internet.com) - 5月30日11時44分更新
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