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決定は29日付。異議申し立てを審理した11部は、打ち切り理由となった弁護団の控訴趣意書の提出遅れについて、10部同様に「やむを得ない事情がない」と述べた。
異議審でも焦点となったのは刑事訴訟規則238条の規定だ。趣意書が期限内に提出されなければ控訴が棄却されるが、同条は、提出の遅れに「やむを得ない事情」がある場合は期限内に提出されたとみなす、としている。
だが、10部は今年3月27日、「昨年8月末の段階で趣意書が完成していた。『やむを得ない事情』とは認められない」と判断。裁判を打ち切った。
弁護側は即座に異議を申し立て、高裁の事務配分の規定により高裁の別の部の11部が審理した。
11部は、▽弁護団が10部の決定後に出した趣意書の分量は実質4ページ。昨年中に提出できた▽昨年8月、裁判所に趣意書を持参しながら出さなかった▽弁護団は「被告と意思疎通できない」というが、そんな場合でも他の刑事裁判では趣意書が提出されている——などとして、「やむを得ない事情はない」と判断した。
11部は被告の訴訟能力にも言及。10部同様、訴訟能力があると認めたうえで、「拘置所での日常生活から考えると、被告の症状は拘禁反応とみてよい」と認めた。
さらに治療が必要かどうかを検討し、「治療で完全に正常な精神状態に戻して裁判を行う選択肢も考えられなくはない」としつつ、結論としては「すでに趣意書提出期限が約7カ月前に過ぎており、控訴棄却は免れようがない。裁判上、治療自体にさして意味があるとも思われない」とした。
http://www.asahi.com/national/update/0530/TKY200605300292.html