2006年05月29日(月) 12時18分

芸術選奨の画家が盗作？　文化庁が調査に着手（朝日新聞）

　洋画家で０５年度の芸術選奨（美術部門）を受賞した和田義彦氏（６６）について、文化庁が発表作品に盗作の疑いがあるとして調査していることが２９日分かった。

　文化庁によると、和田氏の「母子像」（９６年）など複数の作品が、イタリアの具象画家アルベルト・スギ氏の絵と構図や色合いなどで似ているという。和田氏の作品は昨年、三重県、東京都、茨城県内で開かれた「ドラマとポエジーの画家　和田義彦展」への出品作が中心。同展は芸術選奨の受賞理由となっていた。

　匿名の投書が日本美術家連盟や文化庁に寄せられ、同庁が職員をイタリアに派遣するなどした。和田氏は「スギ氏とは７０年代から交流があり、デッサンなどを一緒にした」などと話し、作品が似ていることは「お互いに刺激し合ったため」と説明しているという。

　文化庁は「両者の言い分をよく検討した上で、第三者の判断を仰ぎたい」としている。

　和田氏は東京芸大大学院を修了し、公募団体の国画会を中心に活動。元名古屋芸大教授。０２年には安田火災東郷青児美術館大賞を受賞した。

http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY200605290154.html