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会見する阪急ホールディングスの角和夫社長(左)と阪神電鉄の西川恭爾社長=29日午前11時すぎ、大阪市北区で |
会見を終えてあいさつを交わす阪神電鉄の西川恭爾社長(左)と阪急ホールディングスの角和夫社長=29日午前11時52分、大阪市北区で |
阪急ホールディングスの角和夫社長と阪神電気鉄道の西川恭爾社長は29日午前11時から、大阪市北区の阪急電鉄本社で共同記者会見を開いた。100人を超える報道陣が詰めかけるなか、フラッシュを浴びながら会場に入った阪急の角社長が、後に続いた阪神の西川社長に先に着席するよう促した。
冒頭、発表文を読み上げた角社長は、「両社対等の精神を持って」のくだりに力を込め、「村上氏もぜひ我々の価格でTOBに応じて欲しい」と呼びかけた。
角社長の発表中、西川社長はいすに何度も座り直しながら落ち着かない様子だった。その後、阪神側の発表文の内容を時折言いよどみながらゆっくりと読み上げた。
統合後の役員案に西川社長の名前がないことに質問が及ぶと、西川社長は「2人並ぶと角社長の方が年配に見えるが、実際には、私の方が10歳くらい上。この際心機一転した方が、経営統合にぴったりする」と答えた。
◇
会見での主なやりとりは次の通り。
——今回の株式公開買い付け(TOB)に村上ファンドが応じなければ、統合は白紙に戻るのか。
角・阪急社長 「仮定の話はできないが、村上さんにぜひとも応募して頂きたい」
——買い取り交渉合意に至っていない時期でのTOBの理由と狙いは。
角 「この統合は両社の成長にベストな選択と確信している。来月末の株主総会で了承を得るには、日程的にきょうがぎりぎりの線だった」
——統合効果は。
角 「4点ある。(1)交通事業。鉄道はJRを挟んで競合関係にはなく、効果が見込める。(2)不動産事業。梅田地区の開発で協力できる。特にJR大阪駅近くの梅田北ヤードの再開発事業は効果が期待できる。(3)流通事業。梅田地区の百貨店が増床、新規出店を計画する中で、厳しい流通戦争に勝ち残っていきたい。(4)効率化。両社は長い歴史があり、似たような事業が多いので再編成し効率化・利益率の向上が図れる」
西川・阪神社長 「お互いに経営の合理化がはかれる。エレガントなイメージの阪急と泥臭いイメージの阪神でハイブリッドな取り合わせになる」
——村上氏側が今回のTOBに応じない可能性は。
角 「村上さんは統合を評価しており、あとは価格だ。我々は適正な価格でしかTOBをかけられないが、応じていただきたい」
——カウンター(対抗的)TOBがある見通しは。
角 「4月から資産査定を万全にしてきた。資産査定なしにカウンターTOBをかけてくるのは想定しにくい」
——株式買い付けの下限を45%にした理由は。
角 「当方としては村上さんの全株を取得したい」
——統合後の役員に西川社長の名前がないが。
西川 「この際心機一転した方が、経営統合にぴったりする」
——統合上の対等の精神とは。またブランドはどうするのか。
角 「対等の精神とは、両社の社長をトップに、双方同数のメンバーで統合を協議する。(プロ野球の)阪神タイガースは阪神電鉄さんのグループ会社として位置づけられる。ブランドは非常に大事。沿線の魅力はブランドに基づく。その考えで協議する。阪急、阪神の会社が一緒になることはない」
西川 「統合の話が出たころ、タイガースの名称変更の記事が出たが、ありえないと言ってきた。早く統合効果が出るよう、利用者に便利になるよう進めたい」
——西川社長の辞任は引責という意味があるのか。
西川 「人心一新を図り、経営統合がうまくいくようにという願いだ」