2006年05月29日(月) 01時04分

価格合意に至らず　村上ファンドと阪急ＨＤ（産経新聞）

　村上世彰氏率いる投資ファンド（村上ファンド）が大量保有する阪神電気鉄道株式の買い取り交渉が、阪神電鉄との統合を目指す阪急ホールディングス（ＨＤ）との間で２８日も行われたが、買い取り価格は合意に至らず、交渉は２９日以降も継続されることになった。

　しかし、阪急・阪神側の交渉関係者は２８日夜、「以前のように１００円という開きではなく、数十円単位といえる」と述べ、両者の提示額の差が５０−６０円程度に縮まってきたことを明らかにした。阪急ＨＤは一株９００円を買い取りの上限とみている。

　また、村上ファンド側は阪神電鉄の発行済み株式の約４７％を保有しているが、売却は３３％程度とし、残りを手元に残す条件を、阪急ＨＤ側に提示しているもようだ。

　阪急ＨＤと阪神は２９日に臨時取締役会の開催をそれぞれ予定しており、交渉で合意点を見出せれば、阪急は阪神電鉄株の公開買い付け（ＴＯＢ）を、阪神は６月２９日の株主総会で諮る取締役選任議案を決める予定。村上ファンドは阪神に過半数の取締役を送り込む株主提案を行っているが、阪神は現経営陣の維持を目指す。阪神関係者は、「今月３１日までの交渉決着なら（統合を総会の議案とすることは）可能かもしれない」と、ぎりぎりまで交渉する姿勢を示している。

(05/29 01:04)

http://www.sankei.co.jp/news/060529/kei002.htm