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00年の規制緩和で大型スーパーの営業時間が原則自由化されて以降、県内でも、深夜営業や終夜営業の動きが急速に進んだ。24時間営業は最近3年間で3倍に増えた。生活様式の変化をとらえたコンビニエンスストアが台頭して、大型店を脅かす存在となったことへの対抗策だ。しかし、深夜・未明の客の奪い合いも限界はある。採算性などを考慮して、すでに終夜営業から深夜営業に戻す動きも一部の大型チェーンで出始めた。(北村有樹子)
◇夜の売り場工夫
浦安市の西友浦安店は営業時間を「午前9時〜午後11時」から24時間に切り替えて1年。裏方では午後7時にも刺し身や総菜、すしなどを調理し、夜間に品薄にならないようにしている。
コンビニを意識して、夕方以降はペットボトルやスナック菓子、カップめんなど「夜間の人気商品」(同社)をレジ付近に集める。店内を一巡しなくても買い物できるように工夫している。
夜間は1人用に小分けされた刺し身パックやすしなどの売れ行きが好調。終電後30分を過ぎると客足が落ちるが、生鮮食料部門の月平均の売り上げは延長前より約5%増えたという。
◇25時間店3倍増
西友(本部・東京都北区)は県内15店舗のうち、千葉市の新検見川店(04年4月)を皮切りに、9店舗で24時間営業をしている。
柏市にあるライフ(本社・大阪市)の増尾店も05年12月、地下1階の食品売り場と1階の衣料品売り場の閉店時間を午後9時から同10時に遅らせた。パート女性(35)は「朝食の準備に来た。買い忘れても、コンビニより安いのが魅力」と利便性を強調した。
大型スーパーの営業時間延長のきっかけは、00年の大規模小売店舗立地法の施行で、営業時間が原則自由化されたことだ。同法施行までは、小売店保護の観点から、大型スーパーの営業時間は規制されていた。
県経営支援課と千葉市経済振興課によると、店舗面積が1千平方メートル以上の大規模小売店舗(スーパーや電器店など)は県内に約920。うち約225店舗が午後10時以降の営業を、約60店舗が24時間営業の届け出をしている(06年1月現在)。
02年12月時点、午後10時以降の営業は約80店舗で、24時間営業は約20店舗だったので、ともに約3年で約3倍に増えた。
◇販売額直結せず
規制緩和を受け、県内8店舗で終夜営業するなど営業時間を延長したマルエツ(本社・東京都豊島区)は「最も電気代のかかる冷蔵庫は、店を閉めてもつけっぱなし。経費はさほど変わらない」。人件費を考慮しても、多くの店舗で営業利益が伸びているという。
ただ、営業時間延長の動きにも一部ではかげりも見えている。
イオン(本社・千葉市美浜区)は「店舗近くにコンビニが立地し、営業時間を延長する他店が増えた」などと分析。これ以上の深夜・未明の集客の伸びは期待薄として、旭、茂原、千葉の各市内など計9店舗で04年10月以降、24時間営業を深夜営業に戻している。
統計でみても、営業時間延長の動きが県内大型小売店全体の売り上げ増に直結しているとは言い難い。関東経済産業局の大型小売店販売の動向(06年3月速報)によると、県内の大型小売店の販売額は03年から3年連続で減少している。
業界内でも、「県内でも深夜・終夜営業の動きは消費者に定着した。営業時間延長の動きも一段落するのではないか」との見方を示す業界関係者も現れている。
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000605290001