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検察側は冒頭陳述で、官製談合の目的について、「技官や事務官、自衛官らの天下り先を確保するためだった」と指摘。「工事を割り振った業者に、自由競争の入札に比べて割高の金額で受注させ、施設庁OBを受け入れる見返りとしての利益を与えていた」と述べた。
冒頭陳述によると、生沢元審議官ら3人は、03年1月に官製談合防止法が施行された後、同法への対応をひそかに協議したという。同法では、談合に関与した職員が損害賠償請求の対象になる。当時、佐世保米軍基地関連工事の割り振りをしていた時期だったため、早急な検討が必要だった。
だが、「OBにつらい思いをさせず、円満に早期の勧奨退職をしてもらうため、防止法の制定後も(官製談合の実施を)変えようとは思わなかった」(生沢元審議官の供述調書)との結論に達した。3人は「従来の各OBへの連絡ではうわさが広がる」と考え、特定のOBとゼネコン役員各1人を各業者への連絡役にする巧妙な伝達方法に切り替えたという。
さらに、04年8月末ごろ、すでに受注予定業者が割り振られていた自衛隊中央病院(東京都)の空調設備工事の入札をめぐり、施設庁に匿名の投書が寄せられた。文書には、受注予定業者名に加え、連絡役OBの存在まで記され、公正取引委員会に通知したと書かれていた。
だが、ここでも生沢元審議官ら3人は極秘で協議したうえ、この投書を無視することに決めた。同年9月ごろ、大手空調設備会社に天下り、業界の連絡役を務めていたOBを施設庁に呼び出し、受注予定業者を割り振り直すことで批判をかわした。投書はその後、職員らの手で破棄されていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY200605290374.html