2006年05月27日(土) 16時46分
甘くない、大阪名物違法駐車 民間監視員を警官サポート(産経新聞)
府警、当面同行/微妙な認定指導
駐車違反取り締まりの一部が民間委託されるのを目前に控え、大阪府警は新制度がスタートする来月一日から当面の間、民間の「駐車監視員」に警察官を同行させることを決めた。悪質な違法駐車で名高い大阪だけに、さまざまなトラブルの種も予想され、府警は適正な駐禁処理を指導しながら万全を期す方針。現場での実務に不安を抱える参入業者もあり、監視員サイドは違反者との無用な混乱や万一の事故を避けられるとして、警察官の同行を歓迎している。
府警によると、大阪では駐車監視員約二百六十人(六業者)が、大阪市内二十七署管内で活動を予定している。監視員は、御堂筋などの主要路線や違法駐車の多い地域を各署が定める計画に従って二人以上一組で巡回、無人の駐禁車両の違反を認定し、確認標章(ステッカー)を張り付ける。
警察官の同行は不祥事や事故防止が主な目的だが、業者側の不安の払拭(ふっしょく)という狙いもある。違反車情報を警察に送信する携帯端末の操作や違反者からのクレームのほか、微妙な違反認定などに対し、警察官が指導や助言することにしており、駐車監視員が業務に慣れたと判断すれば同行をやめるという。
駐車監視員は資格制度のため知識は習得済みとみられるが、問題は実務。府警は今月に入って各業者に出向き、一人当たり最低二十時間の実務研修を課してきたが、業者側からは追加研修の要望が相次いでいた。
ある参入業者によると、実務面での難関は、違反車両の情報を入力する携帯端末の取り扱い。特殊なソフトのため練習が必要だが、警察官の立ち合いがなければ端末の持ち出しが禁止で、「自習ができず、十分に習熟しないまま本番を迎える監視員もいる」という。
さらに“ナニワ名物”と皮肉られる違反逃れのクレームも頭痛の種。「トイレに行ってただけや」「金もうけのために弱い者イジメしてるんちゃうか」など、考えられうる“イチャモン”を想定した演技式訓練を行っている業者もある。
府警駐車対策課は同行について、「基本的には現場の駐車監視員に任せるので、民間委託の方針を転換するものではない」と指摘。そのうえで「大阪の違法駐車の現場は甘くないので、しばらくは任せっぱなしにしない」としている。
(産経新聞) - 5月27日16時46分更新
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