2006年05月27日(土) 15時06分
<オウム真理教>上祐派、財政面で分離「松本帰依派」と対立(毎日新聞)
オウム真理教(アーレフと改称)で、最高幹部の上祐史浩代表(43)を支持する「上祐派」が、7月から財政面で教団から分離する見通しであることが関係者の話で分かった。「お布施」や道場運営費といった収支の経理を切り離す。公安当局は、上祐派が新団体を設立する可能性もあるとみて動向を注視している。
教団関係者によると、財政の分離は上祐派と反上祐派による数回の協議で固まった。これに伴い、全国に二十数カ所ある教団施設も「すみ分け」が進み、上祐派は東京都世田谷区の拠点の一部など数カ所に結集する見通し。全信者が定期的に納めている「会費」については、財政分離後も引き続き納めるが、多くの教団施設から「撤収」することへの見返りとして金額は引き下げることになるという。
こうした動きは7月に始まるとみられ、教団関係者は「『教団内分裂』といえる状況だ」と話している。
教団内では松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)の影響力を薄めようとする上祐派と、松本被告への「帰依」を打ち出す反上祐派との対立が続いている。公安当局によると信者約1650人のうち上祐派は約2割。反上祐派も同程度の勢力とみられ、双方に属さない多数派の中間派に対し、両派が取り込み工作を繰り返しているという。
上祐代表は今年5月の連休に開いた自派のセミナーで「(松本被告の)判決確定前に新組織を作りたい」と発言。同14日には世田谷区の拠点で信者を前に「新教団を作ることがあれば、人を神にすることは決してしない」と述べ、松本被告を絶対視する立場とは距離を置く意向を示した。
公安当局は分裂への動きについて「団体規制法の適用から逃れ、新しい教団として生き残ることが目的」(当局幹部)とみている。
(毎日新聞) - 5月27日15時6分更新
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