2006年05月27日(土) 12時01分

裁判員制度：シナリオなしで道内初の模擬裁判−−釧路地裁　／北海道（毎日新聞）

　裁判員制度の導入を前に、釧路市の釧路地裁で２５、２６の両日、検察と地裁、弁護士の三者による模擬裁判員裁判が開かれた。実際の裁判に近い複雑な事案を取り上げ、シナリオなしで進めたもので、道内では初の実施。
　「被告が別の男と共謀で被害者から現金を奪い、返還を求めた被害者を２人で殴打した」との強盗致傷罪の模擬事件記録に基づき、同地裁委員会委員ら６人が、裁判員として審理に当たった。
　検察側と弁護側の陳述や証拠調べで争点を絞った上で、裁判員らが「暴行の目撃者はいない」「金を奪ったのは別の男で、被告はそれを知らなかったかも」などと評議。最終的に、検察側の懲役６年の求刑に対し「強盗致傷は成立せず、傷害のみ成立」として、３０万円の罰金刑を決めた。
　閉廷後、裁判員たちは「１日中休みなしの審理では、体力的にもきつい」などと感想を述べていた。【山田泰雄】

５月２７日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060527-00000005-mailo-hok