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「あくまで善意だった」。三重社会保険事務局が国民年金保険料の免除・猶予手続きを不正に行っていた問題で、26日に会見した原和雄局長は、不正を行った理由をこう強調した。
表情は硬いながらも、口調は終始落ち着いていた。しかし、不正免除手続きの動機が納付率のノルマ達成のためだったかと問われると、「(無年金者をなくすため)善意でやった」と初めて語気を強めた。「納付率の目標達成と無年金者をなくすのは、別のものだ」と強調した。
社会保険庁は同日付で、原局長を更迭した。
【原局長との一問一答】
原局長との一問一答は次の通り。
——不正は局長が決めたのか。
そうだ。独自の対策として実施した。
——年金の公平性の原則に反するのでは。
公平性の観点の違い。私どもが(未納付者の)一人ひとりに説明できないために彼らが無年金になるというのも不公平。そんな不公平はなくさないといけない。
——違法性の認識はあったか。
適正な事務処理ではないという認識はあった。
——(不正免除を)やめようという意見はなかったのか。
いろんな意見はあったが、私の誤った解釈で判断してしまった。
——本人の意思確認なしに手続きできるよう制度改正すべきか。
あったらいいと思う。
——社会保険庁の調査にはどう答えたのか。
3月19日の問い合わせは、確認行為をしていなかった京都のケースと同類のことがないか、との問いで、「ない」と答えた。5月18日にも同じ質問があり、同様に答えた。3回目は大阪の不正が発覚した後の23日。不正の手法は三重と同様だったが、過去2回「ない」と答えたために正直に答えづらくなった。
——京都の事例と違うと判断した理由は。
(三重では)文書で返信がない場合は異論がないとするという文書を送ったので。
——本庁から「不正せよ」との指示はなかったのか。
ございません。(04年の国民年金法改正で)所得情報が入るようになったので、全国の現場で起きたのでは。現実に(免除申請)手続きさえしておけば、不慮の事故とか病の時にお金が受けとれるのに、手続きしなければそれができない。それを防がないといけないと思った。
——不正は納付率のアップのためでは。
率ではなく、被保険者の方々のためだ。あくまで善意だ。(納付率目標達成は)今回の不正とは全く別。目標を立てたら達成させるのが当然だ。三重県の実績をみれば適当な目標だ。
——発覚後、局内にどんな話をしたか。
今朝、まずは謝罪して平常な姿に戻し、その後は(納付率の)目標達成を目指し、モチベーションを持ち続けて頑張って下さいと言った。