2006年05月26日(金) 13時50分
「100%合法ファイル共有」を謳った男、罪を認め FTC と和解(japan.internet.com)
著作権保護対象 MP3 ファイルを合法的にダウンロードできるとユーザーに信じ込ませていたとして、
米連邦取引委員会 (FTC) から訴えられていた男性が、FTC と和解し、宣伝文句が偽りだったと認めることに同意した。
この男性は、『mp3downloadcity.com』サイトの運営者 Cashier Myricks, Jr. 氏だ。Myricks 氏は、同 Web サイトで「音楽」「映画」「ゲーム」ファイルの交換サービスに登録したユーザー611名に対して、1万5240ドルを返還することにも同意した。
FTC の声明によれば、Myricks 氏は、P2P ファイル交換製品およびサービスに関する虚偽表示を禁じられた。そして、著作権保護対象作品を著作権所有者の許可なくダウンロードする行為について、民法上および刑法上のリスクを負うことを説明する義務を課せられた、という。
FTC が Myricks 氏をカリフォルニア州連邦地方裁判所に提訴したのは、2005年9月だった。訴状の内容は、Myricks 氏が mp3downloadcity.com サイトで「チュートリアルおよび紹介サービス」の宣伝と販売を行ない、P2P ファイル交換ソフトウェア プログラムを使って音楽や映画やコンピュータゲームのデジタルファイルをダウンロードするようユーザーに教えていた、というものだ。
Myricks 氏のサービスは、ライセンスを得た合法的な購読サービスと異なり、著作権保護対象のコンテンツファイルをダウンロードしたり共有したりするライセンスを提供していなかった。
それにもかかわらず、24.95ドルを支払ったユーザーに対し、『Kazaa』や『BitTorrent』、および『Grokster』(
現在サービス停止 ) など、他社が無料提供する P2P ファイル交換ソフトウェアの利用方法を教えていた。
FTC によれば、Myricks 氏は mp3downloadcity.com でメンバー登録すると P2P ファイル交換が「100%合法」になると偽り、ユーザーを誘い込んでいたという。
ところが実際には、mp3downloadcity.com ユーザーが P2P ファイル交換プログラムを使ってダウンロードした場合、著作権対象作品を権利保有者の許可を得ていなければ、著作権を侵害していたことになる。
この裁判については、地裁が昨年10月、FTC の訴えを認める
暫定命令 を出していた。
Myricks 氏はすでに、FTC の要求に応える動きを見せ、mp3downloadcity.com から変わった『
findanymusic.com 』サイトの下部に、ファイル交換に関して次のような但し書きを追加している。
「P2P プログラムを使って、著作権保護対象の音楽や映画やゲームなどの作品を著作権保有者の許可なくダウンロードする行為は、訴訟や罰金、刑事訴追の対象となる可能性があります」
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(japan.internet.com) - 5月26日13時50分更新
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