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「被告人は無罪」。さいたま地裁三〇一号法廷。下山保男裁判長が主文を読み上げると、紺色のスーツに青いシャツ、グレーのネクタイ姿の本田社長はまず裁判官席に、そして弁護人に向かい深々と頭を下げた。法人税法違反の罪に問われた裁判が始まって三年。さまざまな思いが頭をよぎる。
「被告人が無限で架空費用が計上されていると認識を持つに至ったとみるには合理的疑いが残る」「被告人は脱税の認識をしていなかった」。本田社長の無罪理由を次々に読み上げる下山裁判長。本田社長は時折メモを取りながら、背筋を伸ばして聞き入った。
主文の読み上げから約三時間。「これで終わります」。下山裁判長が告げると、本田社長は弁護人席に歩み寄り、弁護士らと握手を交わし、傍聴席の支援者らからは拍手が上がった。
判決後、県庁で記者会見した本田社長は「おかげさまで勝訴できました」と切り出したものの、元監査役広川則男被告(63)=一審で懲役三年判決=を主犯として法人としての会社の有罪は認定されただけに「原因の一端は私の管理不行き届き。大変多くの皆さまにご迷惑と心配をおかけして申し訳ない」と頭を下げた。
脱税疑惑が発覚して五年。自分はやっていないとの思いと周囲の支えを頼りに戦ってきた。さいたま地検が今後、控訴することも考えられる。本田社長は「まだ自分でも解明できていない点がある。これからも金の流れなどの調査を続けていきたい」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20060526/lcl_____stm_____000.shtml