悪のニュース記事

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2006年05月26日(金) 00時00分

友人から携帯にメール攻撃読売新聞

 40歳パート主婦。専業主婦の友人から、「携帯メールの攻撃」が続き、ほとほと疲れ果てています。

 友人は、子どもに手がかからなくなり、ほかに楽しみがないのかもしれません。私は1年半前に結婚したばかりですが、新婚旅行から帰ったとたん、次々とメールが送られてくるようになりました。

 「夕食は何?」とか「こんな献立はどう?」とか、1日20通も来て、嫌気がさしています。無視して、返信メールを送らないと、烈火のごとく怒ります。私は彼女に「今からスーパーに行く」「病院に行く」などと、いちいち報告し、返信できないことを断ってから出かけています。

 本当に、私のストレスは頂点に達しています。

 どうしたら彼女のメール攻撃から免れることができるのでしょう。アドバイスをお願いします。(神奈川・T子)

 お手紙を読んで、胸がふさがれる思いでした。「疲れ果てています」「嫌気がさしています」「ストレスは頂点に達しています」……そんな思いを一人で背負う毎日は、ほんとうにつらいでしょう。心身両面でのあなたの健康が心配です。そして、友人のメールの回数に加えて、「友だちだから抗議できないストレス」があなたを苦しめているように思えてなりません。

 だからこそ、あえて言わせてください。「友情」が壊れてもいいじゃないですか、「自分」が壊れたら元も子もないでしょう、と。

 もちろん、友情とは持ちつ持たれつ——でも、そのバランスがあまりにも偏ってしまったら、やはり「メールをやめてよ」と言うしかない。なぜって、あなたが最優先で守るべきものは「自分」なのだから。「友情をまっとうするのと引き換えに心身を病んでしまった」なんて、ほんとうに、ほんとうに、悔しくて悲しいことだから。「友情」よりも、いまはまず「自分」を守りませんか。それをワガママだと言うひとは、どこにもいないはずです。

 (重松 清・作家)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20060526sy41.htm