2006年05月25日(木) 00時00分

『財務悪化、経営陣に報告』 足銀シモレン訴訟 （東京新聞）

　一時国有化された足利銀行（宇都宮市）が、内部調査委員会の報告に基づき、旧経営陣らに計四十六億円の損害賠償を求めた三件の訴訟のうち、野木町の総合建材商社「シモレン」への融資をめぐる訴訟の口頭弁論が二十四日、宇都宮地裁（柴田秀裁判長）であった。

　この日は、同行でシモレンへの融資を担当していた幹部行員が、原告側の証人として出廷した。

　幹部行員は、原告代理人の尋問に対し、問題の融資が始まる直前の一九九九年十月、当時の経営陣らにシモレンの財務状況が極めて悪化していることを報告していたと証言。旧経営陣らは、シモレンの決算が実質的に赤字続きなのを把握しながら、債務者区分を「破たん懸念先」から「要注意先」に引き上げたまま、融資を行ったなどと述べた。

　これに対し、被告代理人は反対尋問で、同行で融資が決定されるまでの手続きなどを確認。幹部行員が所属していた融資第二部が、その中で融資に反対していなかったことを指摘した。　（杉藤貴浩）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20060525/lcl_____tcg_____001.shtml