2006年05月25日(木) 00時00分

自転車も車両の一部 支局発 （東京新聞）

　数日前、猛スピードの自転車と歩道でぶつかりそうになった。運良く事故にはならなかったが、ヒヤリとするとともに約３０年以上前の“悪夢”が頭をよぎった。

　学生のころ、友人が持っていたフランス製の自転車が気に入り、自分のバイクと物々交換。手に入れた自転車でアルバイト先に行く途中で起きた。渋滞でノロノロ運転の車をしり目に歩道を悠々と走る快感。しかし、その慢心が命取りとなった。下り坂でスピードが出ていたうえにわき見運転が重なり、店から出てきた男性店員と激突。

　事故に気づいた店主は、うずくまった男性をみて「仕事に穴があく」と困惑した。結局、事故を引き起こした負い目からアルバイトを休んで、代わりに仕事をすることになった。男性は病院の検査で異常なしと診断されたが、今でも男性に大けがをさせていたらと思うとぞっとする。

　自転車による交通事故の増加に伴い、最近は信号無視や酒酔い運転など自転車の悪質な違反に対しては交通切符で取り締まるケースが出ている。自転車も車両の一部。この自覚が必要かもしれない。　（福原康哲）

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20060525/lcl_____tcg_____002.shtml