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【ソウル=黒田勝弘】韓国野党ハンナラ党の朴槿恵代表(54)が遊説中に暴漢に襲われた事件は波紋を広げているが、盧武鉉政権の支持組織の女性幹部が、顔を切られた朴代表に対し「整形手術でもして、きれいになって出てくるだろう」などと皮肉ったことが世論の非難を浴び、政治問題化している。
問題発言の主は、昨年まで盧大統領の広報秘書官をしていた女性詩人の盧恵京氏(47)で、現在は盧大統領の最大支持母体である「ノムヒョンを愛する人たちの集い」の代表を務めている。
マスコミや野党陣営はもちろん与党側も含め、「非情で品のない発言」「政治テロに言葉のテロで追い打ち」などと激しい非難の声を上げており、盧政権を支えてきた主要人物の発言だけに、低支持率に悩む盧政権のイメージをあらためて失墜させる結果になっている。
カッターナイフで顔を切りつけられた朴代表の傷は60針も縫うかなりひどいもので、女性だけに傷跡が心配されている。今週末には退院する予定だといわれているが、終盤の統一地方選挙での活動は事実上難しいとみられている。
盧恵京代表の発言は事件直後に「集い」のホームページに掲載されたもので、朴代表が故朴正煕大統領(在任1961−79年)の長女であることから、「事件は朴正煕を憎悪する人たちによるものと類推される」「朴槿恵という記号は、朴正煕の悪夢と重なる旧時代の生きた幽霊だ」などと書き、むしろ襲撃事件に理解を示すような内容になっている。
「左派的」あるいは「革新政権」といわれる盧武鉉政権の支持勢力の中心は、旧朴政権時代にいじめられた反体制勢力につながっている。このため、保守系の野党ハンナラ党の代表として次期大統領選の有力候補者になっている朴代表への攻撃を強め、追い落としに懸命だ。
【2006/05/24 東京朝刊から】
(05/24 09:12)