石川さん『事実調べを』狭山事件で新証拠提出（東京新聞）

2006年05月24日(水) 00時00分

　埼玉県狭山市で一九六三年、下校途中の県立高校一年の女子生徒＝当時（１６）＝が殺された「狭山事件」で、強盗殺人罪などで無期懲役が確定している石川一雄さん（６７）＝仮釈放中＝は二十三日、東京高裁に第三次再審請求をした。

　弁護団は、石川さんが被害者宅に送りつけたとされた脅迫状について、石川さんが書いた上申書の文字と比較して「石川さんが書いた確率はほとんどない」とする専門家の鑑定書を新証拠として提出した。

　また、女子生徒の万年筆が石川さん宅の三回目の捜索で、かもいの上から見つかったことについて、「かもいの上の捜索が一、二回目の捜索で漏れていたとは考えられない」とする元警察官の報告書を提出した。

　石川さんは「時間がかかればかかるほど証人が少なくなっていく。一日も早く事実調べをしてほしい。検察も隠している証拠を開示してほしい」と話している。

　石川さんは六三年に逮捕、起訴され一審浦和地裁で死刑判決。否認に転じた二審東京高裁では無期懲役となり、七七年に最高裁で確定した。

　九四年に仮釈放。七七年と八六年に再審請求しているが、いずれも認められなかった。

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