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実験ではまず、日米の国民栄養調査を基に、最近の両国の代表的な1週間のメニュー各21食分を選んだ。日本食はさしみや雑炊、オムライスなどで、米国食はハンバーガーやフライドチキンなどだ。栄養士に実際に調理してもらった食事を凍結乾燥。粉末にして混ぜた後、それぞれ8匹のネズミに3週間食べさせた。
ネズミの肝臓で計1万種類の遺伝子の働きを比べたところ、日本食のネズミではコレステロールや脂肪を分解する複数の遺伝子が、米国食の1.5倍以上に活性化していた。効率よく分解が進んだと見られる。実験後に肝臓内にたまったコレステロール量は、米国食の方が1割以上多かった。
研究では欧米化がそれほど進んでいなかった60年代の日本食と最近の日本食も比べたが、60年代の食事の方が健康によいようだとの結果も出た。
和食の方が健康にいいらしいことは、多くの疫学研究などが示しているが、具体的理由は必ずしもはっきりしていない。宮澤さんは「日本食有利説を科学的に確かめたかった。我々団塊世代が育った洋食化していない食事の方が、今の日本の食事よりも健康的なことも分かった」と言う。
国立健康・栄養研究所の梅垣敬三研究員は「日本食の良さを生物の体の仕組みまで掘り下げて調べており、面白い。人間の健康にもいい、と確かめる糸口になる」と評価する。