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不良債権を手当てするための貸し倒れ引当金。この戻り益の“恩恵”が最も大きかったのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)。旧UFJ銀分を中心に6982億円もの引当金が不要になり、それがそのまま戻り益になった。
「景気回復で貸出先の業績が立ち直り、不良債権が“不良”でなくなったためだが、市場では、流通大手のダイエーやマンション大手の大京など不振企業を多く抱える旧UFJそのものが“宝の山”になったなどと皮肉っていた」(大手証券アナリスト)
ほかに、みずほFGは1805億円、りそなホールディングスも114億円の“棚ぼた”的な臨時利益を得た。
この機を逃すなと、三菱UFJとみずほは6月から7月、三井住友FGも来年3月までに公的資金を完済することを表明している。
もっとも、公的資金を完済するのはいいが、大手銀は法人税を納めていないというのだ。「儲け過ぎ」との批判が強まるなか、税金すら払っていないことに、「なぜだ!」との声が飛びそうだが、「大手銀は過去の不良債権処理で生じた繰り返し欠損を利益と相殺でき、法人税の多くが免除されている。三菱UFJも納付を行うのは向こう3年はかかるだろう」(同)。
儲けすぎムードが台頭するなか、大手銀が量的緩和解除を受けて引き上げた定期預金金利をみても、1年物で年0.08%と雀の涙。「住宅ローンのアップばかりが目立ち、庶民には不公平感ばかりが募るのは当然のこと」(同)。
過去最高の好決算でもフタを開けてみれば、サービスや還元策など顧客重視も“半人前”。これでは大手銀は完全復活と口が裂けても言えそうにない。
ZAKZAK 2006/05/24