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「♪あいあいあいあいあいうえお はひふへほんのり夜が明けて ぱぴぷぺポルノで夜が来る ポルノの道こそ平和の道よ…」
家族連れで賑わう東北サファリパークの「男と女の館 秘宝館」の外では、こんな場違いな“テーマソング”が大音量で流されていた。
カウボーイスタイルがトレードマークの社長(74)は昭和6年、栃木県黒磯市の酒造家の二男として生まれた。自著『俺の人生三百年』(市井社)によれば、子供の頃山中で、見た人は「どえらい金持ちになる」という“伝説”がある、ヘビ数百匹がからみついた「ヘビの球」を見たというエピソードを明かしている。
実業家としての“原点”は、牛乳風呂。23歳で開業した旅館で、「人が米の飯も食えず、牛乳もまともに飲めない」(自著)時代、農家からバターを取った後の脱脂乳をタダで譲り受け、旅館を大繁盛させた。
20代で早くも左うちわの日々を満喫。だがバクチにはまり、31歳のときにおいちょかぶで旅館を賭け、一夜にしてスッテンテンに。
赤貧の中ひらめいたのが「不動産の問屋業」。これがあたり、40代で長者番付の東北第2位に上り詰めた。だが、脱税の濡れ衣を着せられ、またも破産寸前となった。
残ったのは、わずかな山。「サファリパークならできる」と、試しにライオンを飼おうとする。
だが山中は零下10度にもなる。動物商には反対されるが、強行突破。ライオンは皮下脂肪を蓄え雪の中でも耐えられることを“証明”し、開園にこぎ着けた。
エサは、農家で死んだ牛をもらい受けた。角はボタン、皮は革製品、尻尾は筆の原料に売りさばく。動物には芸を仕込み、サーカスをやり、テレビに出演させる。死んだら剥製(はくせい)や毛皮にした。
頭を使って知恵を出せ
知恵を出さない者は体を使って汗を出せ
汗も出ない者は
サファリグループから黙って去れ
これが動物も“実践”する社訓だった。
ケチケチ作戦で、サファリパーク2つにサーキット4つ、スキー場、サーカス、ホテルと事業を次々拡大。競走馬120頭を所有し、公営競馬賞金王にもなった。
平成9年には、19歳の女性飼育係らがライオンに背中を噛まれる事件も発生。「飼育経験がほとんどないのに担当させた」と動き出した警察に対し、容疑者は「経験が浅いから怖いという緊張感できちっと対処する」との“逆転の見識”も披露している。
秘宝館も、スタートは剥製の動物に交尾をさせ展示する、というもの。それが10年ほど前、リニューアル。四十八手イラストや妖しい人形などが加わった。
今年3月、観光客が「あまりにひどい写真がある」と通報したのがきっかけとなった。
「金もうけの才だけは天才的、しかし、うっかりすると、刑務所に入るべし」。自著によると容疑者の父親は生前、息子をそう評していたという。
ZAKZAK 2006/05/23