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2006年05月23日(火) 23時55分

6大金融、当期利益3兆円超 バブル期超える朝日新聞

 6大金融・銀行グループの06年3月期連結決算が23日出そろった。最終的なもうけである当期利益は、全グループが過去最高を記録し、合計では前期比約4倍の3兆1215億円と、バブル期のピーク(89年3月期、1兆6656億円)を大きく上回った。ただ、不良債権処理で積んだ貸し倒れ引当金が不要となって利益がかさ上げされる効果(戻し益)や、株式売却益に支えられた面も大きい。貸し出しによる収益は低迷し、全グループ合計の本業のもうけは前期比で微減となった。

 23日発表した三井住友フィナンシャルグループの当期損益は、前期の2342億円の赤字から、6868億円の黒字に転じ、りそなホールディングスも3832億円の黒字だった。

 各グループとも融資先企業の再建により、利益を圧迫してきた不良債権処理が一段落。戻し益は、三菱UFJフィナンシャル・グループが6089億円、みずほフィナンシャルグループが1393億円にのぼり、当期利益を押し上げた。

 好決算を背景に、三井住友フィナンシャルグループと住友信託銀行を除く4グループが株主配当を増額。経営再建のために受けた公的資金も、三菱UFJ、みずほが6〜7月に、三井住友が06年度中に完済の予定だ。

 本業のもうけを示す業務純益は、三菱UFJ、りそなホールディングス、三井トラスト・ホールディングスで前期より減少。6グループ傘下銀行の合算は、前期比で約2%減少の3兆8546億円となり、収益面で不安も残した。

 景気は回復傾向にはあるものの、企業の借り入れ意欲は依然として鈍く、貸出金残高は伸び悩んでいる。各行の金利引き下げ競争は激しさを増し、預金金利と貸出金利の差である利ざやは全グループで前期より低下した。個人向けの住宅ローンや、手数料が稼げる投資信託・年金保険などの販売に力を入れて、収益を下支えする構図だ。

 07年3月期は、戻し益が減る一方、利ざやの改善も難しいとみられている。三菱UFJ、三井住友、りそなが減益予想で、6グループ合計の当期利益は、06年3月期比で約2割減の2兆5650億円の見通しだ。

http://www.asahi.com/business/update/0523/168.html