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政府は、凶悪事件を起こした在日ブラジル人容疑者が国外に逃亡する例が急増しているため、ブラジルと犯罪人引き渡し条約を締結するための検討に入った。
外務、法務、警察の3省庁は、年内にもブラジルとの交渉に入りたい考えだ。
外務、警察両省庁によると、国外に逃亡したブラジル人の容疑者は、2000年は27人だったが、その後、01年38人、02年39人、03年56人、04年71人、05年86人と急増。04年の場合、国籍別では中国人の283人に次いで2位を占める。
ブラジル人の多い静岡県浜松市では、1999年7月、女子高校生(当時16歳)を乗用車でひき逃げし、死亡させたブラジル人が母国に帰国。
県警は業務上過失致死などの容疑で国際手配したが、引き渡し条約がないため、身柄を確保できていない。
昨年11月にも、レストランに強盗に入り、男性経営者(当時57歳)を殺したブラジル人が帰国し、逮捕されていない。
浜松市や愛知県豊田、豊橋、群馬県太田、三重県四日市など18市町による「外国人集住都市会議」は今年4月末、日本とブラジルの犯罪人引き渡し条約の早期締結を政府に要望することを決めた。
こうした中、麻生外相は4月12日、来日したブラジルのアモリン外相と会談し、ブラジル人犯罪者の国外逃亡問題の解決に両国が協力することで一致した。
条約締結は、その一環となるが、課題もある。
ブラジル憲法は、麻薬・薬物取引関連の犯罪を除き、ブラジル国民を犯罪人として外国に引き渡さないと定めているのだ。
このため、政府は、国籍を理由に引き渡しを拒否した場合、容疑者を自国で裁くという日韓犯罪人引き渡し条約の規定を踏まえ、日・ブラジル間でも同様の規定を義務化することを目指す考えだ。
ブラジルは、約20か国と犯罪人引き渡し条約を締結し、自国民を国内で処罰した例はあるとされ、日本政府は「海外逃亡容疑者の“逃げ得”は防ぎたい」として、法的な検討を進めている。