2006年05月22日(月) 09時04分
ネット中立性を義務づける法案、米国の上院でも審議(japan.internet.com)
ネットワークの中立性は、米国議会で19日も、立法化の最優先課題としてとどまった。
ネットワーク トラフィックを差別なく公平に扱うことをブロードバンド プロバイダに義務づける法案が前日、下院に提出されたばかりだが、上院に19日、同様の法案が提出された。
この法案『Internet Freedom Preservation Act of 2006』(法案番号
S.2917 :PDF ファイル) は、コンテンツやアプリケーションやサービスに関して、電気通信事業者やケーブル会社がコンテンツ プロバイダに追加料金を求めることを禁じるものだ。
同法案の提出者は、Olympia Snowe 上院議員 (共和党、メイン州選出) で、Byron Dorgan 上院議員 (民主党、ノースダコタ州選出) と Daniel Inouye 上院議員 (民主党、ハワイ州選出) が共同提案者に名を連ねる。同法案は、コンテンツ プロバイダと消費者とを結ぶリンクを提供するブロードバンド プロバイダの義務を規定している。
その規定によると、ブロードバンド プロバイダに対し、「接続性/速度/サービス品質/帯域幅について、(自社が) 提携したコンテンツ/アプリケーション/サービスに提供するものと少なくとも同程度の」接続を、追加料金なしで提供することを義務化している。
3議員はいずれも、上院の商業委員会のメンバーだ。同委員会は5月の第4週、インターネットの中立性問題を議論する予定になっている。
同委員会の委員長 Ted Stevens 上院議員 (共和党、アラスカ州選出) は、通信改革法案にネットワーク中立性関連条項を盛り込むことを避け、詳細な検討を
米連邦通信委員会 (FCC) に委ねる構えだ。
Inouye 議員は、法案提出に際して次のように語った。「技術革新者と消費者を邪魔なく結ぶというこの基本的概念、つまりネット中立性は、インターネットの最も特徴的なものであり、米国がオンライン革新で世界をリードしている最大の理由になっている」
今回の法案提出の背景には、AT&T や Verizon をはじめ通信事業者が、利用帯域幅に応じてコンテンツ所有者に追加料金を課金するビジネスモデルを展開し、商用のブロードバンド利用に階層式の価格体系を採っていることがある。
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(japan.internet.com) - 5月22日9時4分更新
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