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大勢の報道陣とともに、和央ようか(左)の退団会見を取材するタカラヅカ・スカイ・ステージのスタッフ(右端)=兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団で |
宝塚歌劇の楽しみ方が広がっている。廉価盤のDVDや音楽配信、無料のデジタル放送——。時代の利器を駆使して、まずは宝塚の世界にいざなおうと、歌劇団側が取り組む。狙いは「ライトファン」。あまり見に行けない人や、興味はあるがためらっている人たちへの門戸を広げる試みだ。
今月8日の夕方、兵庫県宝塚市の宝塚歌劇団の一室で、サヨナラショーを終えたばかりの宙組トップ和央ようかの退団会見が開かれていた。思い出などを語る和央の様子をテレビカメラで撮影していたのが、宝塚の映像分野を担う宝塚クリエイティブアーツ(TCA)のスタッフだった。会見の様子は翌日、CS放送の専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」でさっそく放送された。
スカイステージの放送は02年7月に始まった。現在約3万9千世帯が加入。約4割が舞台放送で、視聴率90%の人気を誇るタカラヅカニュースやスターの対談、OG特集などを1日20時間放送している。
「当初は舞台を見に来なくなるのでは、という意見も社内にあった」とTCA幹部。だが始めてみると、むしろ5割近い人が「観劇回数が増えた」とアンケートに答えた。
宝塚の公演がテレビで定期的に放送されるようになったのは58年、関西テレビ「宝塚テレビ劇場」(62年まで放送)が始まりだ。84年には同局で「タカラヅカ花の指定席」と1分間のニュース番組「フラッシュ・タカラヅカ」が始まった。
だが95年、番組スポンサーだった阪急電鉄が阪神大震災の影響を大きく受け、「指定席」が1月に、「フラッシュ・タカラヅカ」が3月に相次いで終了した。その後、舞台中継は地上波からほとんど姿を消した。
番組終了を惜しむ声を受けてTCAは、同年3月の大劇場公演「国境のない地図」(麻路さき主演)から、全公演のビデオ販売を始めた。だが、DVDやビデオの低価格化が進む今、1本1万円という「宝塚価格」には厳しい視線も注がれる。
そこで、目をつけたのが特典映像。けいこ風景やスターのインタビューを盛り込み、スターの素顔も知りたいファンの思いに応えた、という。
3月に発売を始めた「ベルサイユのばら」の役替わり公演DVDには、スターごとの公演ダイジェストにインタビューやポスター撮影風景が入っている。値段も1枚4830〜3780円と引き下げた。
今年2月には、歌劇の公演で使った曲を1曲150〜200円で配信する事業を始めた。歴代の「ベルサイユのばら」の楽曲や、大劇場公演の主題歌などがいち早く配信される。
また07年12月からは、24時間無料のBSデジタル放送「ワールド・ハイビジョン・チャンネル」で、スカイステージの番組を放送することが決まっている。
TCAの幹部は「有名なOGの昔の舞台や伝説の名舞台を見たいという人たちはいるはず。手元にある膨大な映像を生かして、ライトファンをつかむ仕掛けをしていきたい」と語る。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/OSK200605220040.html