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日本が目指してきた国連安全保障理事会の拡大や国連分担金見直しなどの改革案は、9月初旬までの今国連総会期間中の実現が絶望的になった。
中国や途上国の反対が根強く、欧米諸国の間でも支持が広がっていない。政府内では「国連改革は中長期的な課題になった」との見方も出ている。
麻生外相は18日、来日していた国連のアナン事務総長との会談で「国連総会中に安保理改革を進展させるべく、具体案を模索している」と語り、新たな安保理改革決議案を早期にまとめたいとの考えを示した。
だが、日本外交の悲願である安保理常任理事国入りは「袋小路」に陥っている。日本が昨年、ドイツ、インド、ブラジルと提出した「G4決議案」は廃案になった。政府は「国際社会に影響力が強い米国の支持が得られなかったため」(外務省幹部)として、米国の「お墨付き」を最優先し、G4のドイツなどとも協調する「二また戦略」を描いてきた。
しかし、米国は日本の常任理事国入りに賛同しながらも、安保理拡大に慎重な立場を変えていない。日本が今年初め、安保理を6議席拡大する独自の決議案を示した際も、「安保理拡大は最小限に」とする米国に配慮した案にもかかわらず、支持しなかった。
政府内では「米国とG4両方の支持獲得は不可能」との声も漏れる。昨年より安保理改革の注目度が下がっていることも、マイナス要因だ。
独自案提出が困難と判断した日本は安保理改革を攻める前に、米国が関心を寄せる国連分担金見直しや、事務局改革などの“外堀”を先に埋める作戦に切り替えた。日本の分担金見直し案は、常任理事国に「拒否権などの特権を持つ以上、相応の負担をしてもらう」とし、分担率に3%か5%の下限を設ける。
しかし、分担率が約2%の中国、約1%のロシアは負担増に反発し、結局、議論は打ち切られた。日本は試算などの手続きを省略し、最初から実質協議に入ることも検討しているが、事態打開につながるかは不透明だ。与党内では、「外務省は常任理事国拡大案をごそごそいじっているが、国民にきちんとした説明がない」(自民党議員)との不満もくすぶっている。