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ファミマのフライドチキン(税込み126円)の売り上げは05年度、6000万本。同社は「日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)に次ぐ国内2位」と意気軒高。
後発のローソンのフライドチキン(同138円と155円)は昨年11月から半年の実績は2000万本だったが、「年間では7000万本になる」とライバル意識むき出しだ。
ファミマがフライドチキンを現在のものに刷新したのは04年10月。伊藤忠商事時代に約30年も畜産関連の部署に籍を置き、「肉一筋」という上田準二社長の肝いりだ。
「他社に負けないものを作れ」と、社長自ら試食を繰り返し、「お年寄りでも何本も食べたくなるよう香辛料に工夫を重ねた」(商品本部の佐藤正寿マネジャー)という自慢の一品だ。
ローソンも「ケンタッキーに負けないものを作れ」という新浪剛史社長の一声で開発が始まった。新浪氏も三菱商事時代にKFCを担当し、社外取締役も務めたフライドチキンのプロ。「ジューシーさとサクサク感のあるころも」(同社商品・物流本部の伊藤敏彦部長)を1年がかりで実現したと胸を張る。
両社がフライドチキンにこだわる理由は、利益率の高さにある。ローソンでは、菓子や飲料など加工食品の利益率は26.7%(05年度)。これに対し、レジ周辺で調理して売るフライドチキンなどは「カウンター商材」と呼ばれ、利益率が「5割前後」(業界関係者)という。
店舗ごとの売上高が頭打ち傾向にあるコンビニ業界にあって、利益を稼ぎ出し成長を演出する「戦略商品」なのだ。
先行する模範例は、最大手のセブン—イレブン・ジャパンが84年から全国での取り扱いを始めた「おでん」(同73〜210円)。今では夏場でも売るほど定着した。「高い利益率に加え、従業員がお客様に薦めれば売り上げが伸びる商品の代表選手」(同社広報)
サークルKサンクスもこのところ商品構成を充実させており、4月には「アメリカンドック」(同105円)も刷新した。夏に向けて、各社とも新商品を投入する計画で、カウンター周りの戦いは、ますます熱を帯びそうだ。