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2006年05月20日(土) 16時01分

カタログ通販の"ねずみ講"で大学生ら30人提訴へ産経新聞

 「カタロくじ」と呼ばれる通信販売カタログの会員になるよう持ちかけ、違法な「ねずみ講」方式で金を集めたとして、通信販売会社「EarthWalker(アースウォーカー)」(大阪市)と契約を結んだ京都などの大学生ら約30人が週明けにも、同社などを相手取り、総額1000万円以上の契約金の返還を求める集団訴訟を京都地裁に起こすことが20日、わかった。昨年末の提訴分も含め原告は40人近くにのぼる見通し。相談件数はすでに300人に達しており、全国的な集団訴訟に発展する可能性がでてきた。

 弁護団によると、同社は平成15年12月から約1年で、京阪神の大学生を中心に約5000件の契約を結び、約12億円の売り上げを記録。信州大(長野県)で学生に対する注意告知がなされたほか、埼玉、愛知両県でも弁護団が結成されるなど、被害は全国に広がっている。

 同社をめぐっては、京都市内の大学生ら8人が昨年12月、約440万円の返還を求めた民事訴訟を起こしており、今回が2回目の提訴となる。

 経済産業省が昨年6月、同社に取引停止を命じており、現在、業務は休止中。原告らは同社の業務を大阪市内の別会社が引き継いだとみており、この会社なども被告に加えている。

 訴状などによると、大学生らは同社発行の抽せん券付き通信販売カタログ「カタロくじ」を配布する権利をもつオーナーに、1口17万−5口85万円の契約金で登録。新たに子オーナー(3人まで)を獲得すれば、1人につき約2万円の報酬を得られる仕組み。下位のオーナーが一定数を超えるごとに、オーナーから「代理店」「総代理店」などと、自らの地位とともに報酬の単価も上がり、「ねずみ講」方式に会員が増えていく。

 同社の通信販売事業の売り上げは月約250万円しかなく、収益の大半はオーナー契約金によって成り立っていた。

 同社の商法をめぐっては、原告の大学生らが昨年9月、無限連鎖講防止法違反などの罪で社長ら8人を京都府警に刑事告発しており、府警が内偵捜査を進めている。

(05/20 16:01)

http://www.sankei.co.jp/news/060520/sha070.htm