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〈経済設計〉の名に隠れ〈危険設計〉のマンションを売っていた「ヒューザー」の小嶋進社長が〈不作為の詐欺〉容疑で逮捕された◆耐震強度を偽装した危険な設計と知りながら、その重要な事実を客に知らせずに売った疑いだ。不作為の詐欺の容疑に事件の特質がうかがわれる◆「違法性のあるところまで鉄筋を抜いたりするのは経済設計ではなく危険設計だ」と当の小嶋容疑者。経済設計と信じていたという潔白の弁だ。が、これは経済設計と危険設計とは紙一重と、重々承知の弁でもある◆「危ないものや違法なものに金を払うバカげた社長がどこにいますか」とも言ったが、危険を知った後、客にはそれを売りつけたとは罪深い◆建築確認が下りていたのをいいことに引き渡しを強行した。建築確認制度は〈性善説〉を前提に成り立っているなどと聞いた。これはとんでもない話。悪人が建てようと善人が建てようと、安全なものは安全、危険は危険だ◆事件は建築確認検査の大甘をあらわにした。捜査は〈違法は知らないととぼける善人のふり〉を許さなかった。