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社員の私的なメールやサイト閲覧を約2割の企業が情報漏出を防ぐために定期的に監視・調査していることが17日、民間調査機関・労務行政研究所の上場企業などを対象にした調査で分かった。社内の機密情報や顧客の個人情報流出が問題になる中、企業の情報管理の厳格化が背景にあるとみられ、機密データの持ち出しや公開があった場合、過半数の企業が最も厳しい処分の「懲戒解雇を科す」と答えている。
調査は今年2〜3月、全国の上場企業や、資本金5億円以上で従業員500人以上の非上場企業約4000社のうち、回答のあった139社についてまとめた。
就業規則や社内規定などで私的利用のルールを決めている企業は48.9%で、うち「私的利用を全面禁止」している会社はサイト閲覧で79.4%、メールで88.2%だった。
何らかの私的利用防止策をとっている企業は8割以上で、最も多かったのは「履歴の保存」で約4割。「利用状況のモニタリング」はサイト閲覧で21%、メールで17.4%にのぼった。
また、社内機密データの持ち出しや公開した場合の処分については、51.7%が懲戒解雇にするとした。
一方、社員のプライバシー侵害の懸念もあり、経済産業、厚生労働両省は04年10月に指針をまとめ、監視・調査の目的や責任者などを事前に定め、社員に周知することなどを指導している。
厚労省の「労働者の個人情報保護に関する研究会」の委員を務めた辛島睦弁護士は「会社の情報システムだから、モニタリングは合法的だ。ただ、社員とのトラブル防止の観点で言えば、私的利用の禁止やモニタリングの実施をはっきり告げておくことが有効だ」と話している。