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海保が排他的経済水域(EEZ)を航行する外国漁船などに行う洋上立ち入り検査は、二〇〇一年末の鹿児島・奄美沖北朝鮮工作船事件後は、主に覚せい剤などの薬物の発見を狙っている。
しかし海保によると、北朝鮮を出航したカンボジアや台湾、モンゴル籍船などで、二年前からたばこの偽造品を確認するようになった。日本製の偽造は「マイルドセブン」と「セブンスター」の二銘柄で、ほかに米製「マールボロ」や英製など計十数種に上っている。すべてパッケージを替えただけで同一種の草が成分の粗悪品だった。
船員や偵察衛星の情報では、偽造たばこの運搬船は北朝鮮東海岸の元山(ウォンサン)や清津(チョンジン)、羅津(ラジン)などに入港後、偽造たばこを積み出航。台湾や韓国・釜山などの沖合で台湾や韓国のマフィアらが手配する船舶に洋上で積み替える「瀬取り」と呼ばれる方法で運んでいるとされる。
一隻当たり数十万箱の偽たばこを積み、真正品の六割程度の販売価格から原材料費を差し引いた収益は、数千万円になると推計されている。
日本に持ち込まないのは、定価制や自動販売機などの流通面から、偽たばこの販売が難しいためらしい。日本たばこ産業によると、「マイルドセブン」シリーズは昨年、台湾製を抑えて販売本数が初めて台湾でトップになり、韓国でも同五位以内の人気がある。
積載量が最も多い「マールボロ」の偽造品は〇二−〇五年に米国で千三百件摘発されている。中国で偽造たばこの取り締まりが厳しくなった数年前から、中国のたばこ製造機が北朝鮮に流れるなどして、大量生産が始まったとみられている。
最近はフィリピンの反政府ゲリラ支配地で、武器などの見返りにゲリラからガードされる北朝鮮出身者が偽造たばこを生産しているとの情報もあるという。米軍の圧力や海保など各国警備機関の連携で、密造や密輸が難しくなった覚せい剤から、摘発のリスクが少ない偽造たばこの生産に切り替えたとみられている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060515/mng_____sya_____011.shtml