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「30キロ詰め放題」の表現は、この商品が登場した2003年から、郵便局のチラシや公社のホームページで用いられていた。改められたのは、たまたまチラシを見た名古屋市中村区の元教師、沢昌良さん(74)が「この地球上にこの小包の容積で30キロになるものが存在するのか。存在しなければ不当表示だ」と、一昨年10月に公取に申し立てたのがきっかけ。
この小包の体積は1472立方センチ。確かに、鉄でも比重(1立方センチ当たりのグラム数)は7・87にすぎず、いっぱいに鉄板を入れても約11・6キロ。純金(比重19・32)でさえ、約28・4キロと及ばない。
地球上、最も重い物質とされるイリジウムやオスミウム(いずれも比重22・5)なら、33・1キロとなって、やっと30キロを超えるが、地球内部の奥深くに存在する極めて希少な金属。白金(比重21・45)も“有資格”だが、30キロでゆうに1億円を超えるシロモノで、いずれにしろ郵便小包で送るようなものではない。つまり、この封筒に30キロを詰めることは、事実上、不可能と言える。
景品表示法は「実際より著しく優良であると誤認される表示」を禁じており、公取は昨年3月、調査段階で公社に電話で注意。これを受け、公社は表現を改めたが、公取はさらに今年1月に公社職員を呼び、口頭注意した。
法律で郵便小包は30キロ以下と定められており、超えると貨物扱いになる。EXPACKには「重量制限は30キロまで」と表示していた。公社によると、この注意書きと「詰め放題」の宣伝文句が合体して「30キロ詰め放題」の表現が生まれたらしい。ある公社職員は「別々に表示していれば問題なかったのに、表現は難しい」と話していた。
<EXPACK500> 公社化した日本郵政公社の目玉商品として、2003年に販売開始した。専用封筒を1枚500円で購入し、中身を詰めてそのままポストに投函(とうかん)できる。A4サイズの書類なら200枚程度入り、重さを量ったり切手を張る手間がいらない便利さが受け、売れ行きは好調。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060515/eve_____sya_____009.shtml