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郵便料金の「別納制度」を巡り、約27億円の損失を出した長岡郵便局(新潟県長岡市)は、管轄する信越支社(旧信越郵政局)の了承を得たうえで、東京都内のダイレクトメール発送代行会社に対する料金の不正値引きを繰り返していたことが12日わかった。
信越支社は、この取引が始まった1999年当初、同郵便局から内規違反の優遇措置を同社に適用するという報告を受け、代々の担当者が引き継ぐ形で、2003年12月に不正が問題化するまで同郵便局の内規違反を見逃していた。
日本郵政公社の説明によると、同郵便局と東京・渋谷区のダイレクトメール発送代行会社は料金別納制度を使った取引を99年5月に始めた当時、〈1〉料金は即日納付しなくてもいい〈2〉搬入時に局員が郵便物の数を確認しない——の2点を取り決めた。
2点とも、郵便法に基づく「郵便取扱マニュアル」に違反する手続きだったが、当時の営業担当課長は「営業目標を確保するため」として、上司の同郵便局長に了承を取り付けた。
さらに、この営業担当課長は、管轄する信越支社(当時は信越郵政局)にも同じ内容の報告を上げ、支社側からは「大口顧客のためには規則違反もやむを得ない」という回答を得ていた。
この取引については、同郵便局と同支社の担当者が代わる度に、「あの業者は、それでいいんだ」などと後任にそれぞれ引き継いでおり、外部からの告発で不正が表面化した03年12月まで、同支社は、是正指導などを一切行わなかった。
12日午後、東京・霞が関の郵政公社本社で会見に臨んだ公社幹部は、「相手にだまされた、だました以前の問題」「あまりにもひどい実態だった」と、多数の関係者が黙認していた実態に肩を落とした。