2006年05月12日(金) 03時29分
ゼロ金利、6月解除説 金融市場、前倒し観測(産経新聞)
日銀が六月にゼロ金利政策を解除するとの観測が、金融市場で急浮上している。量的緩和の目安だった日銀当座預金残高が市場の予想を上回るペースで減っていることが大きな要因だ。十一日は長期金利よりも金融政策変更の影響を強く受ける新発二年国債の利回りが一時、八年十カ月ぶりの高水準となる0・815%を付けるなど金利先高観が強まっている。
量的緩和解除は、市場では四月予想が優勢だったが、三月に決定された。早くて七月との予想が多いゼロ金利解除も「(予想より)前倒しになる」(外資系証券)と警戒され始めている。
量的緩和時には三十兆円を超えた日銀当座預金残高は来週には半分の十五兆円を下回り、五月末から六月初めにかけて十兆円程度に落ち込む見通し。日銀に預けておかなければならない分を除いた金融機関の資金はかなり乏しくなり、短期金利の上昇圧力が高まる。このため「日銀が利上げしやすい環境が整う」(大手銀行)という。
さらに、約二年間も利上げを続ける米連邦準備制度理事会(FRB)が、六月末の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを休止する可能性も「六月解除説」につながっている。
市場関係者は「日銀が六月に利上げする気なら、そろそろ明確なシグナルを送ってくる」として、十五日の福井俊彦総裁の講演や十九日の金融政策決定会合後の総裁会見に注目している。
(産経新聞) - 5月12日3時29分更新
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