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●4つの問題点
「一万ではない。わずか三社の中で勝てばいい」。十日開かれたソフトバンクの決算説明会で、孫社長は携帯電話事業に自信を示した。記者やアナリストの質問は、ソフトバンクの既存事業の売上高の約一・四倍にあたる買収完了直後の携帯電話事業の戦略に集中した。
孫社長はボーダフォンの「大きな四つの問題点」の改善策として、端末の充実や営業体制の強化などを掲げた。客離れの主因となったつながりにくさを解消するため、電波の基地局を本年度内にドコモが計画している四万四千強を上回る四万六千カ所に設置し、まず遅れを取り戻す。
●収益悪化も
「何があっても不思議ではない」。番号ポータビリティーについて、ドコモの中村維夫社長は三社の競争激化を予想する。料金の割引や定額制の相次ぐ導入により、各社の一契約あたりの月平均利用料は減少の一途だが、新制度がさらに収益減に拍車をかける可能性もある。
実際、番号ポータビリティー導入をきっかけに英国や香港では、料金値下げにつながり、八割以上の契約者が同制度を利用した香港では、多くの社が赤字に転落した。国内の二社は「料金を下げれば他社も追随。他社がやれば、必要であればわれわれもやる。シェアが変動せずに収益性が落ちるだけだ」(小野寺正KDDI社長)と、不毛な価格競争に懸念を示す。
ADSL(非対称デジタル加入者線)で低価格路線の先鞭(せんべん)をつけたソフトバンクとて、大胆な価格戦略を取りづらい。「料金を安くしてシェアが変わらなければ、金融機関から借りた買収資金の担保となるボーダフォンの利益を減らす」(外資系証券アナリスト)との指摘は多い。
●ヤフーと連携
各社は独自色を出して番号ポータビリティーをきっかけに新規顧客の獲得を狙う。音楽コンテンツ配信で躍進したKDDIの小野寺社長は「シェア30%に早期に到達したい」と意気込む。
また、契約会社を変わりづらくする策として、ドコモはおサイフケータイのクレジットカード事業に注力。四月二十八日からは独自事業を始め、「三−五年で会員千万人」(中村社長)の目標を掲げる。
一方、ソフトバンクは、子会社のヤフーなどと連携したコンテンツの強化で優位に立つ戦略だ。孫社長は、パソコン同様に携帯電話でもネット上のホームページや動画を手軽に楽しめるのが理想像だ、とする。
「番号ポータビリティー前後にわれわれらしいものが出始める」として、孫社長は具体的なサービスについては言及を避けた。「驚きがあった方がいい」として、十日決まった新ブランド名や新サービスを徐々に発表する考えだ。新制度導入時期に重なったソフトバンクの参戦は、国際的に技術で優位に立つ日本の携帯電話産業をさらに活性化させそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20060511/mng_____kei_____004.shtml